二重あごと言うと太っている人がなるもの、というイメージがありますが、そうとは限りません。痩せている人でも二重あごになることはあります。その原因として考えられるのが、悪い姿勢です。最近は、パソコンやスマホの普及によって、猫背の人が増えています。ですので、痩せている人やたるみとは無縁の若い人でも、二重あごになってしまう可能性があるんです。
この記事でわかること
- 痩せているのに二重あごになる原因と対策
この記事のポイント!
- 姿勢が悪いと頭の重さを支え切れず重力に負けて顔がたるみ、二重あごになりやすくなる
- 顔を下に向ける姿勢を続けることで血流が悪化し、むくみやすくなることも二重あごの原因に
- 姿勢を正すことと菱形筋(りょうけいきん)を鍛える対策が有効
目次
痩せていても姿勢が悪いと二重あごになる
私は若い頃から食べてもあまり太らない体質。40過ぎて多少肉はついてきたものの、それでも痩せ型です。
それが体重は変わっていないのに、どんどんフェイスラインが崩れてしまい、あっという間にビフォーの写真のような二重あごに・・・
どうして太ったわけでもないのにこんなひどい状態になってしまったのかと考えてみたところ、思い当たるのが姿勢の悪さでした。立っている時の姿勢が悪いというわけではなく、パソコン利用時間が長すぎるんです。
パソコン作業中はどうしても前屈みの姿勢になりやすく、猫背のまま長時間過ごしてしまいがち。この悪習によって、どんどん顔のたるみとむくみが進行して、二重あごになってしまったんです。
アフター写真は、姿勢を正し、顎周りの筋肉を鍛える対策を半年続けた後の私です。
体重は変わっていないのに、ここまで印象が変わります。痩せているのに二重あごに悩んでいる人は、ダイエットよりも普段の姿勢に注意したほうが良いかもしれません。
悪い姿勢が二重あごを引き起こす理由とは?
太っていなくても姿勢が悪いだけで二重あごになってしまうということを身を持って知った私ですが、悪い姿勢がなぜ二重あごにつながるのかについて改めて整理してみました。
頭の重さを支えきれずに重力に負けて顎がたるむ
頭の重さは5㎏もあると言われています。正しい姿勢をとっていれば体全体でこの重さを支えることができますが、頭を前に突き出して前かがみの姿勢になると、頭を支えるものがない状態に。その状態を長く続けていると、顔の皮膚や筋肉が重力に負けてしまい、たるんでくるのです。
二重あごはたるみの末期症状です。
顔の皮膚や筋肉が重力に負けるとまず、頬の筋肉が下がります。そして、次第に頬から首の皮膚までが雪崩を起こした状態になっていき、顎にもたるみが押し寄せてきて、最終的に二重あごになってしまいます。
猫背でいる時間が長いと、肩甲骨・僧帽筋・菱形筋といった背中の骨や筋肉が衰えます。背中が衰えると、猫背のほうが楽になってしまい、悪い姿勢が定着します。
そうすると、顔のたるみはさらに進み、二重あごの状態も悪化してしまうというスパイラルに陥ってしまいます。
私のように1日中パソコンに向かっているという人は、よほど注意しないと二重あご悪化のスパイラルにはまってしまいます。
それでも30代前半までは見た目に影響は出ませんが、30代後半になってくると、姿勢の悪さがすぐにたるみにつながるようになってきます。
たるみ予防のためにも、若い頃から姿勢には注意したほうが良いです。
顔を下に向けていることで、血行やリンパの流れを停滞させてむくみ→たるみに
姿勢が悪いと二重あごになってしまうもうひとつの理由が、血行不良によるむくみです。
首には神経やリンパ管、太い血管が通っています。重たい頭が前につき出た猫背の姿勢をとっていると、首周辺の血流が悪くなります。それにより、神経やリンパの流れが滞り、顔のむくみを引き起こします。
太っていなくても二重あごになる例として私の写真を冒頭に掲載しましたが、二重あごだったころの私はとにかくむくみがひどかったです。脂肪じゃなくて老廃物で顔がパンパンだったんです。
むくんでいるだけでも二重あごの原因になるのに、むくみは何度も繰り返すことでたるみに発展するので、ダブルパンチになってしまいます。むくみを甘く見てはダメです。
顔がむくんで重みが増した状態を何度も繰り返していると、皮膚が伸びてたるみに発展し、二重あごになってしまうんです。
猫背による二重あごを解消するには姿勢を矯正することが何よりも大切
悪い姿勢が、どれだけ顔のたるみに悪い影響を及ぼすかということがお分かりいただけたと思います。
顔のたるみは重力に従って顔の上部から徐々に進行するので、二重あごは最終形態。。。
ちょっとやそっとのことで改善するのは難しいですが、根気よくケアを続けるしかありません。
そのために必須となるのが、姿勢の矯正です。
姿勢が悪いことでたるみが出てしまっている場合は、顔だけに働きかけるケアのみでは不十分です。そもそもの原因である姿勢を改善しなければ根本的な解決にはなりません。
姿勢を矯正できれば、二重あごだけではなく、ほうれい線や目元のたるみの改善にもつながりますので、まずは姿勢を良くすることから始めましょう。
まずは、自分の姿勢をチェック!
姿勢を矯正する対策の前に、まずは、自分の姿勢が悪いかどうかをチェックしてみましょう。壁を背にして立つだけで、簡単にチェックすることができます。
姿勢チェックの方法
- 壁に体をつけて立ってみましょう。
- 壁に 後頭部、肩甲骨、お尻、ふくらはぎ、かかとが つくかどうか確認します。
頭あるいはおしりを壁から離して立ったほうが楽だと感じる場合は、普段から姿勢が悪い可能性があります。
特に頭がつきにくい人は、ストレートネックの可能性もあるので注意が必要です。
姿勢を矯正して二重あごを解消する方法
セルフチェックで、姿勢が悪いことが分かった人は、今日から正しい姿勢に矯正する対策を始める必要があります。それが二重あご解消への近道となります。
ポイント
- 普段の姿勢に注意する
- 菱形筋を鍛えて正しい姿勢を保ちやすくする
普段の姿勢に注意する
猫背は、デスクワーク中やスマホ操作中の前かがみの姿勢が定着してしまうことが主な原因です。まずは日常生活に潜むのそれらの原因を排除する必要があります。寝るときの姿勢も大切なので、見直してみて下さい。
立っていても座っていても常に頭が背骨に乗っている感覚を持つことが大切です。頭が背骨に乗っていれば、体全体で頭の重さを支えることができるので、顔がたるむのを防ぐことができ、二重あごの予防・改善につながります。
猫背に慣れていると、最初は正しい姿勢をキープするのに疲れてしまい、いつの間にか猫背に戻っていることも多いと思いますが、気が付いたらすぐに背筋を伸ばすようにしましょう。「猫背になっているのに気が付いたらまた背筋を伸ばす」ということを習慣にして繰り返すうちに、自然と正しい姿勢をキープできるようになってきます。背筋を伸ばす時には、胸を張るというよりも、「肩甲骨を寄せて下に下げる」というイメージで行うと良いです。
正しい姿勢に慣れてきたら、さらにやってしまいがちな日常生活のくせを改善しましょう。座るときに足を組んだり、カバンを片方だけにかけるといった癖は、体を歪ませてしまうので、これらのくせを矯正していくことも二重あごの改善には必要ですよ。
デスクワーク中
椅子に深く座って、背骨に頭が乗っている感覚を意識すると、自然に背筋が伸びます。
スマホ操作中
頭が背骨に乗っている感覚を意識して前屈みにならないよう注意しましょう。
スマホを操作するときには、画面を顔の真下に持って行きがちですが、これが猫背の原因となりますので絶対にNGです。
猫背を改善して二重あごを解消するためには、スマホを持った腕を90度に曲げて画面が体の正面にくるように意識することが大切です。
また、長時間操作は避けて、目や肩が疲れない程度の使用時間にとどめるようにしましょう。
立っている時
かかとの上にお尻、お尻の上に頭が乗るようにイメージして姿勢を正してみてください。
このときに、肩のどちらかが前に出ていないかというのもチェックしてみてくださいね。左右の骨盤、左右の肩の位置を揃えるようにします。
私はこれを信号待ちや電車で立っている時にやっています。常にこれを意識するのは難しいので、すぐ忘れちゃうんですが、思い出したらまたやるというのを繰り返すうちに、癖になってきますよ。
寝る時
背筋がまっすぐ伸びる仰向け寝が理想です。
菱形筋を鍛えて正しい姿勢を保ちやすくする
猫背に慣れていると、正しい姿勢をキープするのはなかなか疲れるものです。
それは、悪い姿勢によって背中の筋肉が凝り固まり、衰えてしまっているからです。ですので、姿勢を矯正するためには、背中の筋肉の凝りをほぐし、強化する対策も必要になってきます。
背中の筋肉にはいくつか種類がありますが、その中でも、正しい姿勢を保つのに重要な役割を果たしているのが菱形筋(りょうけいきん)です。
菱形筋(りょうけいきん)とは?
菱形筋は、背骨と肩甲骨をつなぐ筋肉で、上半身の姿勢を保つためにとても大切な筋肉です。
デスクワークやスマホ操作の時間が長いと、背中が丸まり、この菱形筋が常に引き伸ばされた状態で凝り固まってしまいます。
そうすると、猫背のほうが楽になってますます菱形筋の凝りと衰えが進み、二重あごに・・・という悪循環に陥ってしまいます。菱形筋をほぐして鍛えることで、上半身の姿勢が維持しやすくなるので、エクササイズを毎日の生活に取り入れるようにしましょう。
ストレッチでほぐす
菱形筋ストレッチのやり方
- 姿勢を正して正面を向きます。
- 一方の腕を肩の高さまでまっすぐ伸ばし、腕を水平に保ちながら、もう一方の腕で抱きかかえるように胸の前に引き寄せます。
- 抱きかかえた方の腕に力を入れて引き寄せ、ストレッチします。
- そのまま20秒から30秒キープし、逆側も同じように行います。
エクササイズで鍛える
菱形筋の鍛え方
- 片手にひとつずつダンベルを持って立ちます。
- 上体を45度くらい前に傾けて、肩甲骨を寄せるように意識して両手のダンベルを同時に後方に引きます。
このとき首は真っすぐ伸ばして前を向いたまま、胸を張った状態で行うのがポイント。 - 元の位置に戻す。(1)~(3)を1日10回、1セットとして、3セットを目安に行う。
まとめ
二重あごになってしまう意外な原因として悪い姿勢=猫背があるということが分かりました。
一度二重あごになってしまうと、解消するためには時間がかかってしまいますので、早めに普段の生活習慣を見直して、良くない癖を矯正することが大切です。
すでに二重あごになってしまっている場合も、諦めないでくださいね。エクササイズを続けることで姿勢が矯正され、たるんだ筋肉が鍛えられれば、私のようにひどい二重あごになっていても改善できますよ。
大切なのは継続して続けることです。二重顎を改善するには時間がかかりますから、途中でやめてしまったら、あまり効果は得られません。ストレスに感じず継続してできそうなものから少しずつ実践してみましょう。